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慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対する治療

リオシグアト(アデムパス)の臨床試験。

Riociguat for the Treatment of Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension
N Engl JMed 2013;369:319-29

CTEPHに対しリオシグアトを投与して、6分間歩行(一次エンドポイント)がどうなったかを調べた論文。

〇論文のPICO
18-80歳のCTEPH患者で、手術不可能な症例、肺動脈内膜切除術が施行されたがPHが持続する、あるいは再発した症例が対象。
Inclusion criteria:6分間歩行距離が150-450m、肺動脈抵抗(PVR)300dyn・sec・cm-5、平均肺動脈圧が少なくとも25mmHg以上、肺換気血流シンチ・肺動脈造影・CT・MRIのうち2以上の検査でCTEPHと診断されていること
Exclusion criteria:エンドセリン受容体拮抗薬、プロスタサイクリン、PDE5阻害薬、硝酸薬の3か月以内の使用
I:リオシグアトの投与。1mgを1日3回投与より開始し、血圧や低血圧の症状などを確認し、調整する。最終的な一回投与量は0.5-2.5mg。
C:プラセボ
O:治療開始16週後に評価

〇endpoint
primary endpoint:6分間歩行距離
secondary endpoint:PVR、NT-proBNP、WHO functional class、臨床的な悪化、Borg dyspnea score、

〇random割付されているか
されているが、割付方法については記載されていない。
また、割付がconcealmentされているかどうかも記載はない。

〇baselineは同等か
同等。

〇結果の解析
Modified ITT解析が行われている。

〇結果に影響を及ぼすほどの脱落があるかどうか
追跡率 介入群:160/173 (92%)、対照群:83/88 (94%)

〇盲検化されているか
ダブルブラインドという記載されているため、患者と治療実施者については盲検化されていると思われる。アウトカムの評価者、データ解析者については記載がない。また、データ解析者はスポンサーであるバイエル社により雇用された者である。

〇症例数は十分か
介入した場合に期待される効果:6分間歩行距離が30m増加すること
αlevel:5%、power:0.9
として、症例数が算出されている

〇結果
6分間歩行は、介入群(リオシグアト)で39m増加、対照群(プラセボ)で6m減少し、最小二乗平均差は45m (95%CI 25-67m)と有意差をもって改善した。
(secondary endpointはここでは省略する)
6MWT