Use of clopidgrel with or without aspirin in patients taking oral anticoagulant therapy and undergoing percutaneous coronary intervention: an open-label,randomised,controlled trial
Lancet2013;381:1107-15
〇introduction
弁置換術後(機械弁)や心房細動などでは長期の抗凝固療法が必要となり、その20-30%はPCIが必要となるような冠動脈疾患を有している。そのような患者ではtriple therapy(抗凝固療法+クロピドグレル+アスピリン)になるが、それは出血のリスクを増大させる。DAPT(クロピドグレル+アスピリン)ではなく、クロピドグレル単剤にすることで虚血性イベントを増やさず、出血リスクを減らすことができるか検証した。
〇Study design
PROBE試験
〇Patients
18-80歳の長期に抗凝固療法が必要で、高度な冠動脈病変(造影上75%以上の狭窄もしくはFFR<0.80)を有している患者。
Exclusion criteria:頭蓋内出血の既往、心原性ショック、アスピリン・クロピドグレルが禁忌である症例、6か月以内の消化性潰瘍の既往、血小板減少症、12カ月以内の大出血の既往、妊娠
〇Treatment
アスピリン、クロピドグレルは緊急治療なら決められた方法でローディングを行う。抗凝固療法はPT-INR2.0を目標にコントロール。狭心症に対しBMSを留置した場合は少なくとも1か月以上、ACS・DES留置例には少なくとも1年以上は、割り振られた治療(抗凝固療法+クロピドグレル、抗凝固療法+クロピドグレル+アスピリン)を行う。
〇Statistical analysis
1年間の出血性イベントを一次エンドポイントとし、TIMI分類、GUSTO分類、BARC分類で評価。死亡、心筋梗塞、脳梗塞、標的血管再血行再建、ステント血栓症を二次複合エンドポイントとした。
〇Results
573人のうち、284人をdouble-therapyに、289人をtriple-therapyに割り付けた。出血性イベントは、double-therapyでは54人(19.4%)に、triple-therapyでは126人(44.4%)に認められた(HR0.36、95%CI:0.26-0.50、P<0.0001)。
Lancet 2013;381:1111
二次複合エンドポイント(死亡、心筋梗塞、脳梗塞、標的血管再血行再建、ステント血栓症)は、double-therapyでは31人(11.1%)に、triple-therapyでは50人(17.6%)に認められた(HR0.56、95%CI:0.35-0.91)。複合エンドポイントの中で、有意差がついたのは死亡のみで、double-therapyでは7人(2.5%)、triple-therapyでは18人(6.3%)であった(P=0.027)。
Lancet 2013;381:1113