Cyclosporine before PCI in Acute Myocardial Infarction
N Engl J Med 2016; 374:88-90
TO THE EDITOR
・発症から再灌流までが12時間以内の患者を対象としており、それではサルベージできる心筋が少なすぎる。
・交絡因子(狭心症によるプレコンディショニング、治療不十分、側副血行路、血糖値)の存在。
・シクロスポリンはCYP3A4を阻害し、クロピドグレルはCYP3A4を含む肝代謝を受けるプロドラックである。そのため、クロピドグレルの効果が減弱した可能性があり、クロピドグレルを内服していた群とチカグレロルを内服していた群で、早期の血栓性イベントについてのさらなる情報が必要である。
AUTHORS REPLY
・CIRCUS試験では、発症から再灌流まで2時間以内の症例は12.5%含まれていたが、発症から再灌流までの時間にかかわらず、シクロスポリンは心筋をサルベージしなかった。
・交絡因子に関しては、Phase2試験では狭心症によるプレコンディショニングがあってもシクロスポリンによって梗塞サイズは減少した。また、糖尿病がシクロスポリンの効果を阻害するエビデンスはない。
・CIRCUS試験では、クロピドグレルの内服は2.7%で、プラスグレルが63.2%、チカグレロルが34.1%であった。クロピドグレルを内服していることが、心血管イベントに影響を及ぼした証拠はなかった。