Antithrombotic Therapy and First Myocardial Infarction in Patients With Atrial Fibrillation.
J Am Coll Cardiol. 2017;69(24):2901-2909
◇この論文のPECOは?
P:心血管疾患の既往のない心房細動
E/C:ワルファリンのみ、アスピリンのみ、ワルファリン+アスピリンの併用の3群
O:心筋梗塞
secondary endpointは脳梗塞と出血。
<デザイン、セッティング>
・デンマークのレジストリーデータ
・71959例
・観察期間:4.1年(中央値)
・ポアソン回帰モデル
<患者背景>
(本文から引用)
ASA+VKA群で、心不全、高血圧、糖尿病などの冠危険因子が多い。
ASA単独群は、年齢が高く出血を危惧され、アスピリンを処方されているのか?
<結果>
(本文から引用)
脳梗塞はアスピリンよりワルファリンがいいに決まっているが、出血に関してはアスピリンとワルファリンで有意差がない。心筋梗塞はアスピリンよりワルファリンの方が、予防効果が高い。
アスピリンとワルファリンの併用は、アスピリン単剤より心筋梗塞、脳梗塞を抑えるが、出血は逆に増える。
◇感想
ワルファリンも心筋梗塞予防効果があるが、その効果がアスピリンより高く出血も増えていないのは意外な結果だった。デンマークのレジストリーデータなので、フォローアップ率も極めて高く、まさにリアルワールドのデータ。
PT-INRの値やTTRもわかればよかったけど、この研究では調べられていないのは残念。この比較にDOACが入ってくるとどうなるか気もなるところです。