虚血性心疾患

生体吸収性マグネシウムスキャフォールドの6ヶ月の臨床成績 BIOSOLVE-Ⅱ試験

Safety and performance of the second-generation drug-eluting absorbable metal scaffold in patients with de-novo coronary artery lesions (BIOSOLVE-II): 6 month results of a prospective, multicentre, non-randomised, first-in-man trial.
Lancet. 2015 Oct 9. [Epub ahead of print]

◯この論文のPICOはなにか
P:安定狭心症、不安定狭心症、無症候性心筋虚血
I:生体吸収性マグネシウムスキャフォールド(DREAM 2G)の留置
O:セグメント内の遠隔期損失径(LLL:late lumen loss)
セグメント内とは、スキャフォールドの前後5mmまでを含める。

inclusion criteria:18−70歳、reference2.2−3.7mm、病変長21mm以下、50−99%狭窄、
exclusion criteria:LVEF30%未満、血栓性病変、高度石灰化、三枝病変、入口部病変、2.0mm以上の側枝を有する病変、バイパスグラフト、前拡張に失敗した症例

◯baseline
ざっくりと。年齢65歳、男女比2:1、DM30%、喫煙歴50%、腎不全3%、安定狭心症70%、不安定狭心症と無症候性心筋虚血15%ずつ、病変長12mm、reference2.7mm

◯結果
123病変、フォローアップ率99%。
result

◯Discussion/感想
金属製スキャフォールドの方が、radial strengthが強く、recoilが少ない。そして、一回の拡張で留置することができる。薬物溶出性ではない生体吸収性マグネシウムスキャフォールドではLLLが大きく、薬剤溶出性にすることでLLLは縮小したが満足いく結果ではなかった。スキャフォールドのデザインなどを変更し、radial forceやflexibilityを改善したものがDREAM 2Gである。それにより、LLLを0.52mmから0.27mmに0.25mm縮小した(48%)。これはABSORBより若干よい結果であった(純粋な比較はできないが)。

MACEをoutcomeにしたDESとの比較、ひいては生体吸収性スキャフォールド間での比較に期待。