ヨーロッパでは、「たこつぼ症候群(Takotsubo syndrome)」と言うそうです。アメリカでは、「たこつぼ型心筋症(Takotsubo Cardiomyopathy)」です。ほかにも、stress cardiomyaopathyとか、broken heart syndromeとは言われたりします。
そんなたこつぼ型心筋症のスイスのレジストリから、再発についてのLetterです。
Takotsubo RecurrenceMorphological Types and Triggers and Identification of Risk Factors
J Am Coll Cardiol. 2019;73(8):982-984
たこつぼ型心筋症で壁運動異常が完全に回復し、4週間以上フォローされてる症例が対象で、再発した集団と再発しなかった集団を比較。
1402例、観察期間921日±883日
4.7%(66例)で再発。
発生率は18.7例/1000人年。
再発は初回の発症から30日〜9.9年。
COX回帰分析では、神経学的疾患(痙攣・脳血管疾患・偏頭痛)や精神疾患(情緒障害・不安症・適応障害)は再発の独立した予後因子。
神経学的疾患:ハザード比1.76(95%CI 1.01−3.07)
精神疾患:ハザード比1.77(95%CI 1.05-3.00)
再発は、34.8%で初回のバルーニングパターンとは違うパターンになり、誘因(身体的、情動的、両方、特定できない)も47%で初回とは違うものだった。
5/66例で2回の再発あり。すべて神経学的疾患や精神疾患を持っていた。
βblokcerに再発予防効果なし。
ーーーーーーーーーー
循環器内科医にとってたこつぼ型心筋症は、診断はできるけど、治療できるわけじゃないし、再発も予防できない。そんな病気。