高血圧症

カフによる血圧測定(NIBP)の不確かさ

Accuracy of Cuff-Measured Blood Pressure: Systematic Reviews and Meta-Analyses.
J Am Coll Cardiol. 2017 Aug 1;70(5):572-586.

大動脈圧、橈骨動脈圧とNIBP(聴診法とオシロメトリック法)を同時計測している試験を組み入れたSR。

大動脈圧とNIBPの比較も行なっているが、ここでは割愛(動脈圧は、末梢に行くほど反射波によって収縮期血圧は上昇する。なので、橈骨動脈と大動脈ではそもそも圧波形は異なるため、あまり比較できなそう)。


(本文から引用)

橈骨動脈圧と比較した場合、NIBPは収縮期血圧を過小評価する。
  −5.7mmHg(95%CI:ー8.0 to -3.5mmHg)

バラツキは少しありそうだけど、全体としては過小評価するという傾向はある。


(本文から引用)

拡張期血圧は過大評価する。
  5.5mmHg(95%CI:3.5 to 7.5mmHg)

聴診法でもオシロメトリック法でも、収縮期血圧を過小評価し、拡張期血圧を過大評価するというのは、理屈に合う。


(本文から引用)

マクロでみた場合には、収縮期血圧を5.5mmHg過小評価し、拡張期血圧を5mmHg過大評価するが、それが個々の症例に当てはまるわけではない。

収縮期血圧の差が、5mmHg以内に収まっているのは1/3。
1/4は15mmHg以上の差がある。

◇感想
NIBPは非間歇的に血圧を測定するもっともポピュラーな方法だが、その正確性はいまいち。平均するとSBPは5mmHg低く、DBPは5mmHg高くなるが、個々の症例ではその差は大きく異なる。