Effect of Biolimus-Eluting Stents With Video Interview Biodegradable Polymer vs Bare-Metal Stents on Cardiovascular Events Among Patients With Acute Myocardial Infarction
JAMA 2012;308(8):777-787
第2世代の薬剤溶出性ステント(DES)であるバイオリムス溶出性ステント(BES)とベアメタルステント(BMS)のSTEMIを対象にした比較試験。BESは日本ではTERUMOからでているNoboriであるが、第2世代のDESがSTEMIでも、いかに安全に使用できるかを証明した試験である。
〇論文のPICOはなにか
P:発症24時間以内のSTEMIに対し
Exclustion criteria: AMIの機械的合併症、抗血小板薬へのアレルギー、1年以内の手術の予定、ワルファリン投与、出血素因や凝固異常、妊娠、予後1年以内の合併疾患
I:BESを留置した場合
C:BMSを留置した場合と比較し
O:1年後の心臓死、標的血管再梗塞、標的血管再血行再建(Target Vessel Revascularization:TVR)が減るか(二次エンドポイントも設定されているがここでは割愛する)
なお、TVRとはPCIを行った血管のいずれかの部位への再血行再建(PCIもしくはCABG)のことである。血行再建の適応は、造影上50%以上の狭窄を呈しており虚血の徴候・症状があること、もしくは虚血の徴候・症状がなくても造影上70%以上の狭窄を呈していること。
〇ランダム割り付けされ、それは隠蔽化(concealment)されているか
されている。中央割付方式(webベース)のため、concealmentもされている。
〇baselineは同等か
患者背景、造影所見、治療内容(ステントの種類以外)は同等
ただ、治療内容のうち、ステントをオーバーラップされた割合はBESが多い(P=0.03)
〇解析方法
FAS(Full Analysis Set)が行われている。
〇結果に影響を与えるほどの脱落があるか
ないと思われる。
BES群:3/578、BMS群:1/583
〇盲検化(masking)されているか
評価者のみmaskingされている
〇症例数は十分か
対照群のイベント発生14%、介入した場合40%のリスク低下、α=0.05、β=0.2とし、1064症例の登録が必要で、症例数は十分である。
〇結果の評価
心臓死では有意差なし。標的血管再梗塞・TVRでは有意にBMS群で多い。TVRはほとんどischemia-drivenで行われている。標的血管再梗塞については有意差があるが、ステント血栓症に有意差なし。