2014年8月に、triple therapy(2剤併用抗血小板療法+抗凝固療法)についてESCからrecommendationが出された。
梗塞リスク、出血リスク、安定狭心症(stable CAD)か急性冠症候群(ACS)かを評価して、薬剤を選択するわけだが、ステント留置直後からdual therapy(抗血小板薬+抗凝固薬)でいいか、ステント留置1年後から抗凝固薬単剤でいいかなどの疑問もあるよう。
・梗塞リスクをCHA2Ds2-VAScスコアで評価する
・出血リスクをHAS-BLEDスコアで評価する
・新規経口抗凝固薬(NOAC)も低用量なら考慮可
・虚血イベントや再血行再建がないなら、ステント留置1年後から抗凝固薬単剤
・出血のリスクが低ければ、ベアメタルステント(BMS)より第2世代薬剤溶出性ステント(DES)がよいかも
・プラスグレル(エフィエント)とチカグレロル(日本未発売)はtriple therapyには不適切
上のfigureをみると、まず最初にCHA2DS2-VAScが1点か2点以上かで分かれているが、冠動脈病変を有する患者は多くは2点以上になると思われる。CHA2DS2-VASc2点以上をみてみると、出血リスクが低いACSに関してはtriple therapyが推奨されており、それ以外はアスピリンを除いたdual therapyも考慮できるとの事。
ステント留置からイベントなく1年経過している症例は、抗凝固薬単剤ということだが、左主幹部病変、左前下行枝近位部、近位部の分岐部病変、心筋梗塞再発は抗血小板薬を加えることも考慮。