不整脈

アピキサバン(エリキュース®)、リバーロキサバン(イグザレルト®)の中和薬

Andexanet Alfa for the Reversal of Factor Xa Inhibitor Activity.
N Engl J Med. 2015 Nov 11. [Epub ahead of print]

《要約》
背景
Xa阻害薬の合併症として出血があるが、中和薬が存在しなかった。andexanetはXa阻害薬の凝固作用を中和するようデザインされた。

方法
健康な高齢のボランティアに、アピキサバン5mg 1日2回、またはリバーロキサバン20mg 1日1回内服させた。、andexanetの急速静注、もしくは急速静注と2時間の点滴静注の効果を検証するため、それぞれのXa阻害薬を用いてプラセボ対照試験を行った。主要評価項目は第Xa因子活性の平均変化率である。

結果
アピキサバンを内服している参加者では、andexanetの急速静注により抗第Xa因子活性が94%低下し、プラセボでは21%低下した(P<0.001)。遊離アピキサバン濃度はandexanet群で9.3ng/ml、プラセボ群で1.9ng/mlに低下した(P<0.001)。2−5分の時点で、トロンビン生成はandexanet群で100%、プラセボ群で11%であった(P<0.001)。

リバーロキサバンを内服している参加者では、andexanetの急速静注により抗第Xa因子活性が92%低下し、プラセボでは18%低下した(P<0.001)。遊離アピキサバン濃度はandexanet群で23.4.3ng/ml、プラセボ群で4.2ng/mlに低下した(P<0.001)。2−5分の時点で、トロンビン生成はandexanet群で96%、プラセボ群で7%であった(P<0.001)。

急速静注と点滴静注の場合でも、これらの効果は維持されていた。サブグループ解析では、24−72時間後までDダイマーとプロトロンビン1と2の一過性の上昇が認められた。重大な有害事象や梗塞イベントは起こらなかった。

結論
andexanetは高齢の健康成人において、臨床的な有害作用なしに、アピキサバンとリバーロキサバンの抗凝固活性を静注後数分以内に中和した。

直接トロンビン阻害薬に続いて、Xa阻害薬の中和薬も開発された。アピキサバンとリバーロキサバンの中和薬ということだが、同じXa阻害薬のエドキサバンには効果を示すのだろうか。

ちなみに、急性大出血を対象にadexanetの有効性安全性を検証するANNEXA-4試験(第Ⅲ相試験)が現在進行中である。