DETO2X-AMI試験は、急性心筋梗塞を疑う患者で酸素を投与する群と投与しない群に分けて、死亡率が改善するかどうか検証したRCTです。
酸素投与してもしなくても1年後の死亡率は差がありませんでした。
DETO2-AMI試験は急性心筋梗塞疑いの段階でランダム化しているので、そうではない患者さんも含まれています。なので、心筋梗塞に限れば違った結果になるかもしれないという考えは当然浮かびますが、サブグループ解析を見てみるとSTEMIでも有意差がなかったので、やっぱり結果的に心筋梗塞であっても、酸素投与のメリットはないと言えます。
また、SpO2:90-95%のサブグループでも有意差はなく、SpO2が多少低くても酸素投与は不要と言えます。
なので、STEMIであろうが、SpO2がちょっと低めであろうが、別に酸素投与しなくても患者さんの予後は悪くなりません。まあ確かに、急性期の数時間の酸素投与が、生命予後を変えるとはインパクトがあるとは思えません。
で、そのDETO2X-AMI試験のsecondary endpointの結果が、Circulationに出ました。
結果としては、全死亡+心不全入院、心全死亡+心不全入院+心筋梗塞、血管死、心不全入院のいずれも酸素投与の有無で差はありませんでした。
AVOID試験では酸素投与により、トロポニンとかCKが高い傾向にあり、過剰な酸素により再環流障害を増大させる可能性があるので、低酸素血症でなければ急性心筋梗塞で酸素投与しない方が良いようです。