外来診療をやっていて、消化器症状には苦労する。消化器症状を主訴にくる循環器疾患であれば見逃さないが、消化器疾患であれば悩むことが多い。なので、こういった本は非常に参考なる。
胃腸炎:ウイルス性、細菌性かの鑑別は困難
細菌性であっても多くはself-limited
1)38℃以上の発熱、2)下痢が6回以上、3)腹痛が強い場合
がその鑑別だが、脱水を来していないかがより重要である。
人工物など感染リスクがある人には抗生剤投与を考慮
カンピロバクター腸炎は先行する高熱がある。
ウイルス性腸炎のnatural coarceを知ること。
最初は痛みが心窩部で嘔気・嘔吐が中心で24時間以内にピークアウト。その後に頻回の水様便になる。それから逸脱するものは、ほかの疾患も念頭に置かないといけない。
誤診されやすいもの
・虫垂炎 右下腹部へ痛みが移動するなら受診を勧める
・心筋梗塞
・DKA 頻呼吸、頻回な嘔吐、口腔内乾燥著明 ⇒ 尿ケトンcheck
・下痢 本当に下痢? 消化管出血ということも
・小脳梗塞 突然発症の嘔吐
参考:誰も教えてくれなかった風邪の診かた 岸田直樹著