Outcomes of Cardiac Resynchronization Therapy With or Without Defibrillation in Patients With Nonischemic Cardiomyopathy.
J Am Coll Cardiol. 2017 Sep 5;70(10):1216-1227.
◇この論文のPECOは?
P:非虚血性心筋症でCRT-PまたはCRT-Dを留置した患者
E:心臓MRIで中層に遅延造影あり
C:遅延造影なし
O:全死亡(心移植、VADの植え込みを含む)
inclusion criteria:CRT移植術前にCMRが施行されている、CRT移植術が成功した患者
exclusion criteria:陳旧性心筋梗塞、冠動脈血行再建の既往、肥大型心筋症、拘束性心筋症、原発性の弁膜症、サルコイドーシス、アミロイドーシス、心筋炎
<デザイン、セッティング>
・イギリス
・前向き
・2002年7月〜2017年1月
・252例(MWF+68例、MWF−184例)
・観察期間:MWF+群3.8年、MWF-群4.6年(中央値)
・COX比例ハザードモデル
一年死亡率は、MVF+:12.8%、MVF-:6.86%
MVFは死亡率の増加と関連あり(ハザード比2.31)
心房細動やNYHA classⅣなども死亡率の増加と関連がある。
CRT-Dは死亡率の低下と関連あり(ハザード比0.33)。
MVF+だとCRT-Dで有意に生存率が高いが、MWF-ではそれが明らかではない。
MVF+でのCRT-Dのハザード比0.23(95%CI:0.07−0.75)
◇まとめと感想
DANISH試験では、非虚血性心筋症でICDにより心臓突然死(SCD)は有意に減少したが、全体としては生命予後の改善までは至らなかった。それは、非心臓死などによりSCDの抑制効果が薄められた結果で、若年に限るとICDの生命予後改善効果が示唆されていた。
虚血ならICD、非虚血ならCRTが生命予後改善に有効と考えられる。その非虚血でも、MVFがあればCRT-Dにより生命予後が改善する可能性を示唆したのが、この研究。観察研究であり、limitationはあるだろうが、MVF+とか若年ではDをつけるのはreasonableかもしれない。