Effect of Statin Treatment vs Usual Care on Primary Cardiovascular Prevention Among Older Adults: The ALLHAT-LLT Randomized Clinical Trial.
JAMA Intern Med. 2017 Jul 1;177(7):955-965.
◇この論文のPECOは?
P:75歳以上の高齢者で、冠動脈疾患の既往のない高血圧患者
E:新規のプラバスタチンの内服
C:通常治療
O:全死亡
secondary outcome:死因が明確な死亡、心血管疾患イベント(非致死的心筋梗塞、致死的心血管疾患)
<デザイン、セッティング>
・ALTTHAT-LLT試験のpost hoc解析
・北米 513施設
・2867例(プラバスタチン1467例、通常治療1400例)
・平均観察期間:プラバスタチン4.63年、通常治療4.77年
・COX比例ハザードモデル
有意差はないが、全死亡や冠動脈疾患死など増える傾向に傾いている。
◇感想
高齢者へスタチンの使用は、冠動脈疾患を減少させる可能性があるが、全死亡の減少とまでは至らない(1)。それは、高齢者では横紋筋融解症が起こりやすいこと、転倒リスク、認知機能の悪化などさまざまな負の影響があるからだと推測される。
これはALLHAT-LLT試験のpost hoc解析だが、いままでの報告同様、全死亡を減少させる効果はなかった。
冠動脈疾患のリスクが高い欧米人でこのデータなので、よりリスクの低い日本人では、まずメリットはなさそう。処方するなら、negative effectについても十分考えてから。
(1)N Engl J Med. 2016 May 26;374(21):2021-31.