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SECURITY試験

Second-Generation Drug-Eluting Stent Implantation Followed by 6- Versus 12-Month Dual Antiplatelet Therapy
J Am Coll Cardiol. 2014;64:2086

第2世代薬剤溶出性ステント(DES)で2剤併用抗血小板療法(DAPT)の期間を短縮できるか調べたRCT。

〇この論文のPICOはなにか
P:第2世代DESを留置された安定狭心症もしくは不安定狭心症(UAP)患者
I:DAPTを6ヶ月に短縮する(以下、6ヶ月群)
C:DAPTを12ヶ月続ける(12ヶ月群)
O:心臓死、心筋梗塞(MI)、脳梗塞、ステント血栓症(ST)、出血(BARC criteria type3と5)の複合エンドポイントにおける非劣性の証明

PICOの詳細として、
inclusion criteria:安定狭心症・不安定狭心症・無症候性狭心症に対し少なくとも第2世代DESが1つ以上留置された患者。70%以上の冠動脈狭窄が1つ以上ある、18歳以上、以前DESを留置されていない、3ヶ月以内にベアメタルステント(BMS)が留置されていない
exclusion criteria:大伏在静脈グラフト(SVG)の病変、ステント内再、狭窄、非保護左主幹部病変、48時間以内のST上昇型心筋梗塞(STEMI)、6ヶ月以内の非ST上昇型心筋梗塞(nonSTEMI)、左室駆出率(EF)30%以下、使う薬・ステント・造影剤に対する過敏症、慢性腎不全(CKD、Cr>2mg/dl)、妊娠・授乳中、アクティブな出血、出血のリスクが高い

〇ランダム割付について
コンピュータによる中央割付方式
隠蔽化(concealment)されている

〇baselineは同等か
DM、喫煙状況、UAPの割合、分岐部病変の割合、病変分類などなど、STのリスクとなりうる項目も含めすべて同等。平均年齢は約65歳で、約3割にDMがあり、分岐部病変は14%ほど。病変分類は約65%がtaypeB。angio上では病変長が平均で約18mm・病変の血管径が約3mmとなっていた。

〇すべての患者の転帰がoutcomeに反映されているか
ランダム割付されたすべての患者がITT解析がされ、ITT解析とper-protocol解析のサンプルサイズが10%以上異なる場合はper-protocol解析を用いる。6ヶ月群でプロトコール通りDAPTを中止したのは約66%なので、per-protocol解析されている。lost follow upは約1割ほど。

〇盲検化(masking/blinding)されているか
治療介入者は盲検化されていない。患者は不明。outcome評価者は不明。解析者は第三者。

〇症例数は十分か
非劣性マージン2%、power:0.80、αlevel:0.05で、サンプルサイズは1370と計算されている。1399人がランダム化されており、症例数は十分である。

〇結果の評価
DAPTは両群それぞれ約98%がアスピリン+クロピドグレルで、6ヶ月群のうち約34%が12ヶ月の時点でもDAPTを継続していた。追跡率は約9割。
primary endpointは6ヶ月群4.5%、12ヶ月群3.7%で、群間差は0.8%(95%CI:-2.4-1.7)なので、非劣性マージンを超えていないので非劣性が証明されたことになる。primary endpointは心臓死、MI、脳梗塞、ST、出血の複合エンドポイントだが、それぞれについては両群間で有意差なし。

〇この論文を読んで
per-protocol解析がされるが、6ヶ月群に割り付けられた患者の約34%がDAPTを12ヶ月まで継続している。これによりサンプルサイズは小さくなるので両群間の差は薄まる方に働く。また、盲検化されていないので、主治医の判断でDAPT中断のリスクが高い症例はDAPTを継続した可能性がある。たぶん第2世代DESではDAPT期間は短縮できるんだろうけど、この試験に関しては非劣性が証明されやすいバイアスがかかっているように思うが、どうだろうか。