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遅延造影MRI

細胞外液移行型造影剤であるGd-DTPAを急速静注して行う。。

正常心筋では細胞内液が80%を占め、細胞外液は20%以下しか存在しない。梗塞部位では、心筋細胞が減少し間質成分に置き換わっているため、細胞外液量が90%程度まで増加している。

Gdはその細胞外液に分布する。

さらに、梗塞部位では冠血流が低下しているため、そのwash outも遅れる。それにより、梗塞部位の造影効果が強くなるとされる。

MRIは空間解像能に優れており、遅延造影により心内膜下梗塞を明瞭に描出できる。虚血性心疾患では、血行再建を行うか否かはviabilityの有無により判断されるべきだが、遅延造影MRIによりviabilityも評価できる。

2000年にNEJMに掲載された論文では、遅延造影の深達度と血行再建後の機能回復についての関連を調べられており、遅延造影の深達度が0%のセグメントでは78%、1-25%では60%、26-50%では42%、51-75%では10%、76-100%では1.7%で、血行再建後に機能回復がみられた。

これは日循のguidelineをみただけなので、次はこの論文を読んでみたいと思う。

ちなみに、Gdは腎機能低下例に対する使用と、腎性全身性線維症(NSF:Nephrogenic Systemic Fibrosis)の関連が報告されており、禁忌とされている。Gdは毒性の強い物質らしくDTPAでキレートして使用されているが、腎機能低下例では、Gdが排泄されずキレート剤と分離?してしまい、NSFを発症してしまうらしい。皮膚の硬化や筋肉表面の石灰化などが左右対称に下肢から起こるとされ、死亡例も出ている。有効な治療法はない。