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COMMENT:ENSURE-AF試験

Do NOACs ENSURE safe cardioversion in atrial fibrillation?
Lancet. 2016 Aug 26.[Epub ahead of print]

電気的除細動後は血栓塞栓リスクが増大し、その多くは10日以内に起こる。抗凝固療法を行わず電気的除細動を行った場合の血栓塞栓症のリスクは10%で、抗凝固療法を行った場合は4%以下になる。そして、電気的除細動施行3週間前から施行後1ヶ月まで抗凝固療法を行うと、血栓塞栓症は1%未満まで低下する。

RCTのデータは、非弁膜症性心房細動の血栓塞栓症予防にNOACsを使用することを支持しているが、電気的除細動の際の有効性及び安全性は確認されていない。実際には、電気的除細動の1/3でNOACsが投与されており、またRCTのpost hoc解析で脳梗塞と出血イベントは1%未満と報告されているため、ACC/AHAのガイドラインではNOACsの使用はclass Ⅱaとなっている。

X-VeRT試験は、非弁膜症性心房細動の電気的除細動時にリバーロキサバンを使用した、最初の多施設前向きオープンラベル無作為化試験である。1504例をリバーロキサバン群とワルファリン群に割り付け、両群で脳梗塞が0.5%未満、出血が1%未満であった。

エドキサバンとエノキサパリンーワルファリンを比較したENSURE-AF試験は、多施設のオープンラベル試験で、エンドポイント判定者が盲検化されてある。コンプライアンス不良やロストフォローアップはほとんどなく、ワルファリンのTTRは70%以上であった。ENSURE-AF試験は最も大きいRCTであるが、イベント率が低いため、有効性と安全性を評価するのに十分なパワーがない。

TEEを行わず電気的除細動を行う場合は、3週間の抗凝固療法のアドヒアランスを確認することは必須である。

血行動態が不安定な患者に電気的除細動を行う場合や、心房細動発症から48時間以内の場合に、NOACsが安全に使用できるかは定かではない。