〇背景
TRITON-TIMI38試験では、ACSにおいてプラスグレルを使用することによりクロピドグレルと比較し、MACEを20%低下させた。TRITON-TIMI38試験では、ビバリルジン(直接トロンビン阻害薬)は3%で使用され、術後5時間以内のステント血栓症(ST; stent thrombosis)を増加させたが、死亡率や大出血は低下させた。プラスグレルとビバリルジンの相乗効果については知られていない。ビバリルジンを使用したprimaryPCIにおいて、クロピドグレルとプラスグレルを比較した。
〇Methods
452例のLAD近位部or中間部のSTEMIが対象。アスピリンに加えて、クロピドグレルかプラスグレルを投与(どちらを投与するかは任意)。2×2 factorial designで、アブシキマブ(GPⅡb/Ⅲa阻害薬)の投与の有無と血栓吸引の有無に分けている。Primary endpointは30日後の心臓MRI(CMR)を撮って梗塞サイズ(IS; infarct size)を評価。Secondary endpointは、再灌流の程度,30日後・1年後の MACE(全死亡、再梗塞、新規のもしくは重症の心不全の複合)の発症率。
〇Results
プラスグレルとクロピドグレルが1:2ぐらいで使用されている。
Baseleine characteristicsはプラスグレルで、若く、BMIが高めで、心機能がよく、高血圧の既往が多く、たばこを吸う傾向にあった。
Corrected TIMI frame count(CTFC)はプラスグレルで低く(より灌流が障害されていない)、手技成功率が高いが、ISには有意差なし。