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VADT試験 長期フォローアップ CORRESPONDENCE

TO THE EDITOR
1) 心血管死、脳梗塞、心不全など臨床的に異質のものを、複合エンドポイントとして設定している。そして、強化療法により増えることが示されている非心血管死が、エンドポイントから外されており、複合エンドポイントの設定が恣意的である。UKPDSリスクスコアの低い患者では、強化療法によって非心血管死が38%増加し、VADT試験でも標準療法群より強化療法群で非心血管死が増えていた。VADT試験の主要評価項目に全死亡も含めれば、有意差はなくなる(P=0.22)。

2) 最初の心血管イベントまでの時間は、HbA1cの変化に影響を受けないように思われ、血糖値のコントロールはアウトカムの改善に繋がるわけではない。。

3) 使用した経口血糖降下薬による影響があるのではないか。VADT試験では、BMI≧27の症例には心血管イベントを抑制することが示されているメトホルミンを使用しており、BMI<27の症例にはSU薬を使用していた。

4) 生活習慣や心保護薬の使用が確認されていない。

THE AUTHOR REPLY
1) UKPDSリスクスコアの低いサブグループの解析は、統計学的に不適切である。ただ、ACCORD試験やVADT試験から、特に高齢者において強化療法を行うことは注意が必要である。

2) VADT試験で確認された心血管イベントの減少は、試験期間中のHbA1cではなく、baselineのHbA1cの影響を受けない。心血管イベントの減少が、HbA1cの減少に影響を受けないエビデンスはない。

3) BMIと同様、メトホルミンの使用率は両群間で差はない。

4) 心保護薬に関しては、Supplementary Appendixに記載してあり、群間差はない。生活習慣について厳密に比較できないが、両群の同一の生活習慣のカウンセリングを行っており、血圧や脂質も似通っていることから、両群で生活習慣が著しく異なることはありえないだろう。