不整脈

左心耳閉鎖術 review

Left atrial appendage occlusion in atrial fibrillation for stroke prevention: A systemic review.
Int J Cardiol. 2016 Jan 15;203:55-9.

《要約》
背景
心房細動は心室性不整脈や血栓塞栓症、特に虚血性脳梗塞を増加させる。塞栓源の多くは左心耳であるため、左心耳閉鎖術は心房細動の脳梗塞予防に有効な選択肢になりえる。

目標
心房細動の脳梗塞予防において、左心耳閉鎖術の有効性と安全性を評価する。

方法・結果
Pub Med, CENTRAL in The Cochrane Library, Embase, CBM-Disk, CNKI for published trials, ClinicalTrials.gov, ISI Proceedings for conference abstracts, WHO International Clinical Trial registration Platform for ongoing studiesを検索した。検索結果を抽出し、試験の質を評価した。試験の不均一性が低ければ、RevMan5.3を用いてメタ解析を行った。1165例(経皮的:2試験 1114例、外科的:1試験 51例)を含む3つの無作為化試験を解析した。左心耳閉鎖術の心房細動の脳梗塞予防(RR:0.78[95%CI:0.33-1.84])や死亡率減少(RR:0.68[95%CI:0.40-1.16])に対する有効性が、ワルファリンと同程度であることが示唆された。

結論
Watchmanデバイスを用いた左心耳閉鎖術がワルファリンの能9足予防効果と同程度である可能性が示唆された。外科的左心耳閉鎖術はワルファリンより優れたアウトカムをもたらすことが示唆されたが、サンプルサイズが小さいためpower不足である。

◯論文のPICOはなにか
P:心房細動患者
I:経皮的/外科的左心耳閉鎖術
C:ワルファリン、NOACs
O:脳梗塞、死亡、全身性塞栓症

◯すべての研究を網羅的に集めようと努力したか
・文献データベース
CENTRAL、PUBMED、EMBASE、Chinese Biomedical Database(CBM), China National Knowledge Infrastructure(CNKI)など複数のデータベースを検索している。

・検索語、検索期間
不明

・どのような種類の研究か
RCTのみ

・参考文献まで追跡したか
不明

・個々の研究者や専門家に連絡をとったか
不明

・出版されていない研究も検索したか
ClinicalTrials.govなどで検索している

・英語以外で書かされた研究も検索したか
している

◯すべての研究が網羅的に集められたか
funnel plotは用いられていない。

◯集められた研究は複数の評価者によって評価されたか
不明

◯集められた研究は明確な基準をもって妥当性を評価されたか
個々の研究をCochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventionsにおける評価基準で評価している

◯集められた研究の異質性は検討されたか
カイニ乗検定で異質性が検討されている。

◯結果は統合されたか
RCT3件が、random-effect modelを用いて統合されている。

◯結果
result