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CHADS2スコア 高血圧の定義とそのコントロール

心房細動による心原性脳梗塞の1年生存率は約50%と言われており、予後が悪い。心原性脳梗塞のリスク評価あるいは抗凝固療法を行うか否かの評価のため、CHADS2スコアが用いられている。

C:congestive heart failure うっ血性心不全
H:hypertension 高血圧
A:age 年齢(75歳以上)
D:diabetes mellitus 糖尿病
S:stroke or TIA 脳梗塞・TIAの既往

C、H、A、Dはそれぞれ1点で、Sは2点とされ、その合計が心原性脳梗塞の予測因子となる。0点:1.9%/年、1点:2.8%/年、2点:4.0%/年、3点:5.9%/年、4点:8.5%/年、5点:12.5%/年、6点:18.2%/年と、有するリスクに比例して心原性脳梗塞が発症するリスクが高くなる。1)

CHADS2の原著1)では、hypertensionは収縮血圧160mmHg以上(当時の基準)だけでなく、高血圧の既往もhypertensionに含まれている。日本循環器学会の心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)では、わが国の高血圧の定義に合わせて140/90mmHg以上もしくは高血圧の既往と定義されている。血圧のコントロールが良い場合でもリスクとして見なされる。

もちろんHypertension(+)の患者すべてが、心原性脳梗塞を発症するリスクが同程度というわけではない。血圧のコントロールが不十分であれば、そのリスクは高くなる。

stroke
2)より引用

なので、心房細動患者に抗凝固療法を行っていたとしても、血圧のコントロールが悪いと、その効果を減弱あるいは相殺してしまう。

1)JAMA2001;285:2864
2)EHJ20007;28:752