Percutaneous Coronary Intervention vs Coronary Artery Bypass Grafting in Patients With Left Main Coronary Artery Stenosis: A Systematic Review and Meta-analysis.
JAMA Cardiol. 2017 Sep 13. doi: 10.1001/jamacardio.2017.2895. [Epub ahead of print]
◇論文のPICOはなにか
P:左冠動脈主幹部病変
I:DESを用いたPCI
C:CABG
O:全死亡、心筋梗塞、脳梗塞
<研究の選択>
・LMT病変に対し、DESを使用したPCIとCABGを比較した試験で、3年以上フォローアップしている研究を組み入れた。
・文献データベース:PubMed、Scopus、EMBASE、Web of Knowledge、Science Direct database
・期間:2001年11月18日〜2017年1月1月
・研究の種類:RCT
・Fixed-effect and random-effects models
◇結果
SYNTAX試験、PRECOMBAT試験、EXCEL試験、NOBLE試験の4試験を統合。いずれも非劣性試験で、EXCEL試験のサンプルサイズが一番大きい。
フォローアップ期間はEXCEL試験のみ3年で、他は5年。
3年まではPCIでイベントが少ないが、3年でクロスし、その後はCABGでイベントが少ないものの有意差はない。random effects modelでは、ハザード比:1.06(95%CI:0.85-1.32)。
primary endpointのフォレストプロット。NOBLE試験のみCABG betterで、統合すると有意差はない。
それぞれの試験を除外した場合の感度分析も行われている。結果の方向性が異なったNOBLE試験を除いたとしても、有意差はない。
DESの世代、Syntax scoreで見ても、有意差なし。
強いて言えば、心筋梗塞はCABGで良い傾向。
脳梗塞には差がない。
PCI群で再血行再建のハザード比は、第1世代DESで1.8、第2世代DESで1.7だった。
◇まとめと感想
LMT病変の安定冠動脈疾患において、3−5年のフォローアップでは、PCIとCABGによるアウトカム(全死亡、心筋梗塞、脳梗塞)の差はなかった。再血行再建は、第2世代DESを使用したとしても、CABGと比べ有意に多かった(ハザード比1.7)。
より長期のフォローアップだと、このカプランマイヤー曲線が開いていくのか、糖尿病合併だと結果は違ってくるのか、など気になります。
(2014 ESC/EACTS guidelines on myocardial revascularizationより引用)
基本的には、ESCのガイドラインの推奨通り。