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繰り返す心膜炎に対するコルヒチンの安全性と有効性(CORP-2試験)

Efficacy and safety of colchicine for treatment of multiple recurrences of pericarditis (CORP-2): a multicentre, double-blind, placebo-controlled, randomised trial.
Lancet. 2014;383:2232-7

急性心膜炎とその初回の再発ではコルヒチンの有効性が証明されているが、再発を繰り返す症例では結論がでていない。

〇この論文のPICOはなにか
P:2回以上再発する心膜炎
I:コルヒチン内服(体重70kg以上では1mg分2、70kg以下では0.5mg分1)
C:プラセボ
O:18か月後の心膜炎の再発

急性心膜炎の診断:以下の2つ以上を満たす。
鋭い胸痛(座位・前傾で軽快)、心膜摩擦音、心電図変化(ST上昇、PR低下)、新規あるいは増加する心嚢液

〇baselineは同等か
同等。年齢は48歳ぐらいで半分が男性、8割が特発性。併用された薬物療法は、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン、プレドニゾロンなど。

〇ランダム割付されているか
コンピュータによる中央割付方式。

〇症例数は十分か
18ヶ月の時点で、プラセボ群で30%の再発があり、コルヒチンにより15%の絶対リスクの低下がある仮定(つまり心膜炎が半分に抑えられる)。αlevel0.05、power0.80とし、必要症例数は240例と算出されており、各群120例ずつ登録されている。

〇盲検化されているか
患者、治療介入者は盲検化されている。治療介入者がoutcomeを評価する。解析はcommitteeが行うが、盲検化については記載なし。

〇すべての患者の転帰がoutcomeに反映されているか
240例(コルヒチン群120例、プラセボ群120例)が登録され、フォローアップは100%。内服中止がコルヒチン群で8例、プラセボ群で7例と大きな脱落はない。

〇結果の評価
心膜炎の再発は、コルヒチン群で26例、プラセボ群で51例で有意差あり(相対リスク0.49 95%CI:0.24-0.65、P=0.0009、NNT:5)。安全性については、消化器症状(下痢、嘔気、嘔吐、腹痛)、肝機能障害、筋毒性、脱毛など有意差なし。

コルヒチンは心膜炎の再発例にも有効。