虚血性心疾患

心筋再灌流障害

Myocardial reperfusion injury: looking beyond primary PCI.
Eur Heart J. 2013 Jun;34(23):1714-22

AMIの再灌流障害を予防する確実な方法はないが、様々な試みがなされている。発症早期のprimaryPCIによって多くの心筋をサルベージできるわけだが、最終的な心筋障害の50%程度は再灌流障害によるものと考えられる。

reperfusion injury

再灌流障害の決定的なメディエータは、MPTP(mitochondrial permeability transition pore)の開大である。再灌流によって、酸化ストレス、カルシウム過負荷、PHの上昇、炎症(好中球浸潤)などが起こり、それらが心筋の過収縮やMPTPの開大を引き起こす。

酸化ストレス、カルシウム過負荷、PHの上昇、炎症(好中球浸潤)に対し介入することで、MPTPの開大を抑える様々な試みがなされてきた。

mechanical intervension
高流量の酸素投与や低体温は、明らかな有効性は示されていない。

pharmacological agents
シクロスポリンはパイロット試験では有効である可能性が示されていたが、その後否定的な結果がでている。

CKのAUC、CK・トロポニンのピーク値、MRIなど主要評価項目として、どの程度心筋をサルベージできたか評価しているわけだが、それはサロゲートマーカであるため、心血管イベントを抑えられるかどうかは改めて検証が必要になるだろう。

(figure、tableはすべて本文から引用)