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脳低体温療法施行時の注意点と酸素解離曲線

当院では、VFsurvivor(心室細動による院外心停止)では、神経学的予後改善のために脳低体温療法を行っている。

低体温療法を行う上での注意点としては、
・シバリングによる体温上昇を防ぐため、鎮静薬や筋弛緩薬を投与する
・高K血症(シバリングなどによる骨格筋由来のもの?)
・高血糖(神経学的予後を悪化させる)
・利尿(バソプレッシンに対する尿細管の反応低下)による血清Crの上昇
・凝固障害(PT-INRやaPTTの延長)

それと、PaO2はそれほどでもないのに、SpO2が異様に良いということ。低体温により酸素解離曲線の左方移動が起こっているからだ。つまり、酸素分圧が同じでも、体温がより低い方が酸素を放出しにくい状態になっている。

他には、pHが下がると(アシデミアになると)酸素は放出されやすい方向に動く。つまり、酸素解離曲線は右方移動する。アシデミアは嫌気性代謝の結果として起こることがあり、嫌気性代謝が起こっているので酸素を供給しやすいようにHbが酸素を放出しやすい状況を作っているようなイメージかも。

ちなみに、見かけのSpO2が変化してしまう原因
見かけのSpO2がSaO2より低下:マニキュア
見かけのSpO2がSaO2より上昇:一酸化炭素血症