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プラスグレル(エフィエント®) PRASFIT-Elective試験のeditorial

クロピドグレル(プラビックス®)に対する耐性・無反応(ノンレスポンダー)は、心血管イベントのリスクが増加する。プラスグレルはそれを克服したが、出血リスクは増加した。1)

出血リスクの増加は、NSTEMIに対する造影前の早期の使用でも見られる。2)

クロピドグレルより有意に、ステント血栓症のような周術期・短期の合併症を減らした薬剤はない。クロピドグレルの倍量投与(LD:600mg、MD:150mg)でも出血リスクを増加させたが、虚血性イベントは減らさなかった。3)

東アジア人は西洋人と比べ、CYP2C19のpoor metabolizerが多い。また、年齢やBMIも異なる。低用量のプラスグレ(LD:20mg、MD:3.75mg)により、PRASFIT-Elective試験では出血リスクを増加させずに、MACEを6.7%から4.1%に減少させた。PRASFIT-ACS試験でも、大出血を増加させずにMACEを11.8%から9.7%へ減少させた。いずれの試験もパワー不足であり、統計的に虚血性イベントを減少させることが統計学的に明らかになったわけではなく、それがlimitationではある。

低用量のプラスグレルはpoor metabolizerにおいて、よい薬物動態を示した。PRASFIT-ACS試験やPRASFIT-Elective試験で、P2Y12阻害薬を低用量で使用するという概念のもと、データが集積され、TRILOGY試験は年齢と体重で投与量を変更し(MD:10mg/5mg)し、虚血性イベントを増加させず高い安全性が示された。4) 高齢者に対しプラスグレルの容量調整をするANTARCTIC試験が進行中である。

1)Am J Caridol2013;111:38
2)E Engl J Med2013;369:999
3)JAMA2011;305:1097
4)N Engl J Med2012;367:1297