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TASTE試験 STEMIに対するルーチンの血栓吸引は死亡率を改善しない

Thrombus Aspiration during ST-Segment Elevation Myocardial Infarction
NEJM 2013;369:1587-97

〇この論文のPICOはなにか
P:ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に対して
I:通常のPCIに加えて血栓吸引を施行することで(PCI+TA群)
C:通常のPCIと比べて(PCI群)
O:30日後の全死亡がへるか検証したRCT

〇ランダム割付されているか
オンラインでの中央割付方式である。

〇baselineは同等か
同等。
年齢(66歳ぐらい)、BMI、喫煙率、感危険因子(DM、HT、HL)、以前のMIなど有意差なし。発症からPCIまで中央値PCI+TA群185分、PCI群182分。心電図診断からPCIまでそれぞれ67分と66分。

〇症例数は十分か
PCI群で6.3%の死亡率、HR1.30、power0.8、αlevel0.05とし、必要症例数は5000例と算出されているが、想定していたより死亡率が低かったため(2.9%)、サンプルサイズの変更を行っている。そして、必要症例数の67%(7138例)が集まった時点で中間解析を行うこととされ、7259例の登録があった。

〇盲検化されているか
患者、治療介入者、outcome評価者、解析者、すべて盲検化はされていないopen-labelの試験である。

〇すべての患者の転帰がoutcomeに反映されているか
ITT解析が行われている。
登録された7259例のうち、登録の誤りが15例あり、PCI+TA群3621例、PCI群3623例割り付けられている。PCI+TA群でTAが行われなかったのは222例(6.1%)で、PCI群でTAが行われたのは178例(4.9%)であった。

〇結果の評価
30日での全死亡は、PCI+TA群103例(2.8%)、PCI群110例(3.0%)で有意差なし。Per Protocol解析でも、それぞれ88例(2.6%)、101例(2.9%)と有意差なし。

STEMIに対するルーチンの血栓吸引は、死亡率を低下させない。