不整脈

心房細動を合併した末期腎不全で、アピキサバンは有効なのか

Outcomes Associated With Apixaban Use in Patients With End-Stage Kidney Disease and Atrial Fibrillation in the United States.
Circulation. 2018 Oct 9;138(15):1519-1529.

【PECO】
P:末期腎不全で心房細動(AF)を合併した透析患者
E:アピキサバン内服
C:ワルファリン内服
O:脳梗塞・全身性塞栓症、大出血、、消化管出血、頭蓋内出血、死亡

【デザイン、セッティング】
・後向きコホート研究
・United States Renal Data System
・25523例(アピキサバン群2351例、ワルファリン群23172例)のうち、prognostic scoreでマッチした症例を解析(アピキサバン群2351例、ワルファリン群7053例)
・COX回帰分析

【結果】
アピキサバン群 vs ワルファリン群
▶︎脳梗塞・全身性塞栓症(100人年)
12.4 vs 11.8 HR:0.88(95%CI:0.69-1.12)

▶︎大出血(100人年)
19.7 vs 22.9 HR:0.72(95%CI:0.59-0.87)

▶︎消化管出血(100人年)
23.8 vs 23.4 HR:0.86(95%CI:0.72−1.02)

▶︎頭蓋内出血(100人年)
3.1 vs 3.5 HR:0.79(95%CI:0.49-1.26)

▶︎死亡(100人年)
23.7 vs 24.9 HR:0.85(0.71-1.01)

【まとめと感想】
そもそも透析患者の抗凝固療法で、10人に1人がDOACということが軽く驚き。そして、やっぱりワーファリンは悪者にされる。

まあ、後向きのデータなので、せめて前向きので検討が必要ではありますが。RCTをやってもらいたいけど、メーカーとしては旨味がないからやらないでしょう。パイは小さいし、数年かけてやってもその頃には特許は切れるし。