未分類

再発性偽膜性腸炎に対する糞便移植(fecal microbiota transplantation)

偽膜性腸炎に対しては、メトロニダゾールやバンコマイシンの投与が標準治療であるが、偽膜性腸炎が再発してしまう症例もある。

再発性の偽膜性腸炎に対し、健康な人の糞便(腸内細菌)を移植するという方法。

Oral, capsulized, frozen fecal microbiota transplantation for relapsing Clostridium difficile infection
JAMA. 2014;312:1772

再発性の偽膜性腸炎患者20例に対し、糞便移植(fecal microbiota transplantation)を行っている。生来健康な、A型B型C型肝炎などの感染症もない人の糞便を使用。糞便を生食で溶かして、濾して、濃縮させて、カプセルにつめる。30カプセル(糞便にすると平均48g)を2日にわたって投与する。

効果:8週間再発がないこと、安全性:有害事象を評価する。

20例中14例で初回投与で治療に成功。残りの6例には2回目の投与が行われ、4人に効果がみられた。

初回投与で治療に成功した群と不成功群を比較すると、性・年齢・以前の再発の回数・体重減少・以前のバンコマイシンの投与、胃酸抑制薬の使用など有意差なし。唯一overall health score(症状などの主観的なスコア)で有意差あり、成功群で自覚症状が軽い傾向にあった。

実際、バンコマイシンで治療がうまくいかない例もあるので、試してみたい方法ではあるが、48gというと結構な量になるけど、患者さんの家族にもってきてもらうとなると難しいか・・・。